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「アドレスV125ピストン・トラブル(クラック)原因究明と対策」編

どもどもデス。

最初に書きますが、今回の「ピストン・クラック、トラブル」
の原因及び対策は、moto medicoが独自に行った事で、
この見解や行為が 必ずしも絶対では有りません。

特定のメーカーや そこに関係する方々の考えや
意見に反する気持ちも有りません。

あくまで moto medico 代表 山根幸男の見解です。
信じるか信じないかは皆さんでお考え下さい。


それでは さっそく 先日のお約束、
「アドレスV125Gピストン・トラブル(クラック)原因究明と対策」編
をお話させて頂きます。

moto medicoにての「TAKEGAWA」社製のkit装着
アドレスV125でピストン・クラック発生事例は3件ありました。
※うち2件は同一のユーザー様です。
「アドレスV125ピストン・トラブル(クラック)原因究明と対策」編_a0209531_328455.jpg

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「アドレスV125ピストン・トラブル(クラック)原因究明と対策」編_a0209531_3324613.jpg


トラブルの発生したユーザー様のアドレスは、
どちらもリミッターが作動するほどエンジンが回るので、
当初は「高回転時にリミッター作動によるピストンの振れが
原因か?」と思う部分がありました。

※kitメーカーにクラックの発生したピストンを送って検品したところ
「ピストンに問題は無い」との回答があった為。

しかし、このトラブルはユーザー様にとって「優しく有りません!」
心・・・・・・・・動かなくなってしまった愛機を見るのは心が痛みます。
時間・・・・・・乗れなくなる事で余分な時間の浪費。
お金・・・・・・修理費等の出費。

今後 ユーザー様には悲しい思いをして頂きたくないので、
今回のトラブルを機会に原因を追究しようと思いました。

そこで 先ずは、昔 全日本ロードレースに参戦してた時の
コネクションを利用して、 トラブルを起こしたkitを検査しました。
※ココでは、検査先は控えさせて頂きます。

結果から言いますと、二ヶ所の検査先からの回答は同じ
「ピストン・ヘッドの厚みが不足」っとの事でした。

ピストンの材質自体を最高峰のレーシング・エンジン並みの物にしないとこの厚みでは厳しいとの事でした。
※現物ピストンの素材の場合の限界肉厚も教えて頂きましたが
企業情報なので口止めされました(苦笑。

エンジニアの方から「コレ組んだらスタンダードじゃないんだから
定期的に分解整備しないとダメだよ! 
全日本やってたから判るでしょ?」って言われました(汗。

さて、独自にですが結果は出たので、
次は どう「対策」するか?です。
ピストンの「WPC加工」とかも考えたのですが、
相談したエンジニアの方からも
「そもそも薄いんだから どうかなぁ」との事・・・・確かに。

どうしたものかと発注してあった 新しいkitを開封して、
新品ピストンを眺めながら考えてました。

すると アレ? ピストントップに前には無かった刻印が有るぞ!
今までの作業記録画像を確認しても刻印は有りませんでした。
「アドレスV125ピストン・トラブル(クラック)原因究明と対策」編_a0209531_3353561.jpg

もしや?と思い メーカーに問い合わせしてみると、
「今までに数件のピストン・トラブルの報告が有ったので、ピストンの見直しをしました」との事。

ピストンの各部を確認してみると・・・・変わってます!
厚くなってます。 ピストン裏のリブも強化されてます。
「アドレスV125ピストン・トラブル(クラック)原因究明と対策」編_a0209531_3363476.jpg

「アドレスV125ピストン・トラブル(クラック)原因究明と対策」編_a0209531_337262.jpg


しかも「カムシャフト」も変わってました。
※因みにコチラは材質をグレードUPしたがカム・プロフィールに変更は無いとの事です。
「アドレスV125ピストン・トラブル(クラック)原因究明と対策」編_a0209531_3384170.jpg


ピストン対策がされてるので有れば、
問題無く安心して組み込めますが、
今回 更なる進化(ポート加工やその他チューニング)も
依頼されているので、
追加対策1「燃焼室のスキッシュ加工」
追加対策2「スパークプラグにスペーサー・ワッシャの追加」をして
圧縮を微調整出来るようにもしました。
「アドレスV125ピストン・トラブル(クラック)原因究明と対策」編_a0209531_3404369.jpg

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燃焼室容積も問題は無いようなので今回の「進化ステージ1」とします。
「アドレスV125ピストン・トラブル(クラック)原因究明と対策」編_a0209531_3453828.jpg


これからkitを組み予定のユーザー様は、kit購入時にピストントップの
「刻印・13101-33G-T05」を確認して下さい。

既に組み込まれているユーザー様はリペアパーツで
Newtypeピストンの購入が出来ます。
自身で「自分は全開走行が多いなぁ」って思われるユーザー様には
オススメ致します。

最後に冒頭にも書きましたが再度書きます。

今回の「ピストン・クラック、トラブル」の原因及び対策は、
moto medicoが独自に行った事で、この見解や行為が 
必ずしも絶対では有りません。

特定のメーカーや そこに関係する方々の考えや
意見に反する気持ちも有りません。

あくまで moto medico 代表 山根幸男の見解です。
信じるか信じないかは皆さんでお考え下さい。

ではでは。。。

by moto-medico | 2012-04-24 04:12 | アドレス V125 整備